朝桜 朔のメモ帳

本で得た知識のアウトプットや、日常生活で起こったことを書き込みます。

【仕事の達成率を上げる】人間関係における感情のコントロール法【感情のトリセツ】

 感情を偽って接さなければならないような人間関係には、メリットがない。以前、イスラエルで行われた研究を基にそのロジックを紹介した。

 ➡https://artistchiaki.hatenablog.com/entry/2020/02/29/182711

 

 上記の記事に似た文献になるが、1983年に行われた研究(キャビンアテンダントの感情の偽りと健康状態の相関を調査したもの)では以下のことが判った。

 ①感情、キャラクターを偽る傾向が強い人ほど病気に罹りやすかった

 ②感情を偽る傾向の強い人ほど、腰痛、肩こり、頭痛、不眠の症状が強く現れた

 ③ビジネスや交渉の場でも、キャラクターを偽った人のほうが成功率が低かった

 

 キャラクターや感情を偽るほど、心身ともにダメージが大きいのは上記の通りである。我々にとって、「ビジネス、交渉の場」を円滑にするために感情を偽るのが常であるが、それがかえって交渉の成功率を下げているというのは意外だっただろう。

 

 感情を偽ることのデメリットを講じられたところで、経営者にならない限りは、感情を偽らなければ仕事にならない。

 感情を偽らずに仕事を円滑に薦める方法は無いかも知れないが、感情を偽ってもダメージが少なく済み、むしろ仕事の達成率が上がる方法はある。

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アリゾナ大学が多岐にわたる職業(飲食業、クリエイター、建設業…etc)に務める2500名の労働者を対象に行なった研究で、被験者の感情コントロールの方法を分析した結果、感情の偽り方に2つのパターンがあることが判った。

 

 ①浅い演技…感情はコントロールしないが、表面だけ取り繕う偽り方

例)嫌な上司に対してムカついているが、表面上だけは笑顔を取り繕う

 ②深い演技…目の前の物事を再解釈する方法

例)上司から嫌味っぽい叱られ方をしても、上司の心境などを論理的に分析する

 

⇒2つの感情の使い分けの方法で、更に4つのパターンに分かれた。

 1.ほとんどキャラクターや感情を偽らない人

 2.基本的に感情やキャラクターは偽らないが、浅い演技、深い演技を使い分ける人

 3.ほとんど深い演技をする人

 4.浅い演技、深い演技の両方をかなりの頻度で使う人

 

 2.と4.で挙げたような、両方の演技を使い分けるパターンの人は、自分の印象を良くしようとする人や相手から利益を引き出そうとする人など、マキャベリズム傾向の強い人に多かった。

 これらの人は常に自律神経系が興奮状態になりやすいため、心身ともにダメージが大きかった。

 

 対して、3.のようなほとんど深い演技をする人は、利害に関係なく、相手との関係を良くしようとする人に多かった。

深い演技をする人は会社、コミュニティーから支援を受けやうい傾向にあり、その結果として仕事の達成率が高かったらしい。

 

 〈まとめ〉

仕事の達成率を挙げ、人間関係のストレスを減らすには深い演技をする

→相手の感情や言っていることを論理的に分析する